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2010-04-10 16:45 | カテゴリ:小説(オリジナル)
ジャンル:小説・文学 テーマ:自作連載小説
教室から出た後、さっさと楓の手を離し、ありすは今さっき見ていた夢を思い出した。

幼い女の子の夢。

まだ小さい女の子だったのに全身痣だらけで…私は、虐待を受けた事など、一度もないのに、胸が苦しくなって、頭はガンガンと痛み、体中が疼いた。

でも、ありすは、懸命に、頭を使った。

ここまで、あの夢に執着するのには、2つの理由がある。

1つ目の理由は、夢に出て来た女の子は、血の様な赤色の髪と目。

ありすと、正反対な色合いで、見覚えが無かったのとは裏腹に、使い魔の少年は茶髪で緑色の目で、見覚えがあったから。

楓と、同じ外見だった。

私の使い魔だと言われている楓と、夢の少女の使い魔である少年。

この二人の存在に、違和感を感じたからだ。

2つ目の理由は、ありすが、この学園に来てからの2年間の記憶しか無いからである。

最初は、自分はありすという人間で、11歳で、紅月一族の血を引く後継者だとしか分からなかった。

…あの夢は、どこかで眠ってしまっている幼い時の自分の記憶かも知れない。

ありすは、鞄の中から、深緑色の本を取り出した。

長く連ねてある文字を、ありすは指でなぞりながら、ページをめくる。

数分、それを繰り返していたら、ありすは、とある魔法に指を止めた。

記憶を消すのと同時に、心の傷や、体の傷も消える魔法?

深緑色の本によると

事実上、完全に消える訳ではないらしい。

一時的に、その魔法をかけた人間の時が止まるだけで、魔法をといてしまうと、時は動き、体中の傷や、心の傷、記憶までも、一斉に、戻ってくる。

なお、魔法をかける方と魔法をかけてもらう方が、クロス×ハートの契約を交わしている人のみ、この魔法を使える。

そこで、文章は途切れていた。

クロス×ハート…。

ありすは、深緑色の本を閉じて、鞄に入れると同時に、そっと、右のふとももに触れた。

ふとももには【薔薇】が刻まれてある。

これは、ありすの紋章であり、紅月一族の紋章である。

ありすと、クロス×ハート出来る人間は同じ【薔薇】の紋章がある人のみ。

つまり、紅月一族の人間だけという事。

仮に、ありすが夢に出てきた少女であれば、あの使い魔とクロス×ハートしていた事になる。

でも、ありすの周りには、薔薇の紋章を刻んだ人間は一人も居ない。

しいて言えば、ありすの兄の優一だが、ありすは優一の紋章を一度も見た事が無い。

紋章は一人一人、刻んである場所が違い、その紋章は、本人にしか分からない所にある場合が多い。

だから、兄であろうと、ありすは、優一の紋章を見た事が無いし、見ようともしない。

ドンッ。

ありすは、考える事だけに夢中になっていた為、いつの間にか、下駄箱置きのある学園の玄関に居た事を知らず、呉羽が立ち止まった事にも気付かなくて、ありすは、呉羽に思いきりぶつかってしまった。

「く、呉羽先輩。何かあったんですか?」

ぶつけた額を撫でながら、ありすが問うと、呉羽は「僕が絶対に守ってあげるから」とだけ言って、ありすを自分の背後に下がらせた。

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